トヨタ紡織はトヨタグループの中でも、車両の内装を担当するメーカーです。高い技術力を誇る上に、安定した大企業としても知られています。
トヨタ紡織の高い技術力を発揮する仕事に携わりたく感じたり、安定した待遇条件に魅力を感じたりしている人もいますよね。ただトヨタ紡織への転職選考は競争率が高いです。
今回はトヨタ紡織への転職を実現する方法を、難易度や面接試験などに触れつつご紹介します。なお今回の記事は以下の人におすすめです。
- トヨタ紡織への転職を目指している人
- トヨタ紡織での転職選考の内容や対策が知りたい人
- トヨタ紡織の内情や評判が気になる人
大手内装メーカー・トヨタ紡織とは
シートなど自動車の内装を担当する企業で非常に有名なのが、トヨタ系列のトヨタ紡織(ぼうしょく)です。内装関係の経験などを活かそうと入社を目指す人もいますよね。
まずトヨタ紡織の基本情報や特徴などについて、色々と見ていきましょう。
トヨタ紡織の基本情報を紹介
トヨタ紡織の基本情報は以下の通りです。正式名称や資本金などについて確認したい場合、是非活用してみると良いでしょう。
会社名 | トヨタ紡織株式会社 |
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代表取締役社長 | 沼毅 |
創立年月日 | 1950(昭和25)年5月15日 |
本社所在地 | 愛知県刈谷市 |
資本金 | 84億円(2020年3月末現在) |
従業員数 | 8,259人 |
トヨタ紡織はトヨタグループ系列の自動車向け内装を開発・製作する会社です。自動車向け内装については国内随一のシェアを誇ります。
具体的にはシートや天井部分のライト、エアコンフィルターなど、車の機能やデザイン性を高める部品がメインです。
高い技術力を誇るグローバルの自動車部品メーカー
トヨタ紡織は国内でも高い技術を誇っています。元々豊田佐吉が大正時代に開業した豊田紡織株式会社がルーツで、1世紀にわたって技術力が培われてきました。
自動車用シートではトヨタの高級車レクサスのシートが代表的です。また北陸新幹線の最高級車両「グランクラス」の座席もトヨタ紡織が担当しました。
日本が誇る車両に数えられる両車両の内装をトヨタ紡織が担当した点は、同社の技術力の高さを物語っています。
同時にトヨタ紡織は海外企業との関わりも強固で、案件数も非常に多いです。中国などのアジアやアメリカ、オセアニアなど世界各地の企業から依頼を受けています。
年収は700万円台と比較的高め
車両の内装関係で最高の技術を持つトヨタ紡織では、年収がいくら貰えるかが気になる人もいますよね。内装トップメーカーでトヨタグループである分、年収も非常に高めです。
2020年6月時点での平均年収は697万円で、大体700万円程度と言えます。親会社のトヨタ自動車の851万円よりは劣るものの、国内企業では非常に高い方です。
なお転職時でも最低500万円の年収は貰えます。年功序列の気風もあるため、転職選考を経て入社した後は勤続年数に応じて年収が大きく上昇するでしょう。
トヨタ紡織の平均年収は?年齢や役職別の収入から就職偏差値まで徹底解説
福利厚生も一通り揃っている
年収の他に福利厚生の内容が気になる人もいますよね。トヨタ紡織では福利厚生も一通り揃っています。
施設では独身寮やグループ共同の企業内託児所、保養所などがあるため、心身のリフレッシュや育児などでも安心です。なお保養所は全国中にあるため、各地の滞在に利用できます。
また毎年7万円分のポイントが与えられるカフェテリアプランも評判が高いです。旅行や食費補助、スキルアップなどに使いやすい分、心身面で豊かになれます。
他にも全社行事の多さも特徴的です。春のウォーキング大会が、秋のレガッタ大会などがあります。
ワークライフバランスが取りにくい一面もある
年収や福利厚生が満足できるレベルである一方、ワークライフバランスについてはうまく取りづらい一面があるのが特徴です。
残業時間の全社平均は月25~30時間と業界内で標準的にはなっています。ただ部署によっては業務量の膨大さに比例して残業になりやすい点は理解するべきです。
ただ会社側や労働組合の取り組みで残業時間を減らそうとしているため、極端に長くなることはありません。なお繁忙期に多少長くなるのは覚悟するべきでしょう。
一方で有給休暇や長期休暇は比較的取得しやすい雰囲気です。むしろ上司からも有休を取るように促されるケースも多くあります。加えて週休2日も取りやすい傾向です。
女性が働きやすい点もポイント
トヨタ紡織は女性にとっては働きやすい点がポイントになっています。会社が女性社員を積極登用しようとしているためです。
加えて社内で女性社員の数が非常に少ない分、彼女たちの昇進がしやすくなっています。いわゆるキャリアウーマンとしてバリバリ働きたい人には良い環境と言えるでしょう。
他にもグループの共同託児所に加え、育児休職制度や育児者への時短制度がある点も女性の働きやすさを後押ししています。
トヨタ紡織の転職事情・難易度を示すポイント5つ
トヨタ紡織で誇らしく感じられるような自動車内装の仕事をしたいと思う人もいますよね。転職選考でトヨタ紡織に入社するには、現在の転職事情や難易度の把握が大切です。
以下の5点からトヨタ紡織の転職事情や難易度について見ていきましょう。
トヨタ紡織の転職難易度は非常に高め
まずトヨタ紡織の転職難易度は非常に高くなっています。国内でも指折りの大手企業として安定している点や、自動車内装でトップメーカーである人気が原因です。
加えてトヨタ系列である分、将来性で心配がない点も転職難易度を押し上げている要素と言えます。以上の理由があるため、転職選考でも競争相手は非常に多いです。
トヨタ紡織への転職を実現するのであれば、しっかり企業研究した上で応募書類や面接などの対策を十分行うべきでしょう。
中途採用は技術職が多い傾向
トヨタ紡織の中途採用では、主に技術職と事務職で行われています。ただ技術職の方が多いとともに、事務職に比べて難易度は低めです。
なお技術職では開発・設計職や生産技術職、品質保証職などがあります。一方で事務職は法務職や調達職などのみです。事務職については激しい競争になりやすいでしょう。
同時にトヨタ紡織の中途採用は随時募集の形で行われています。公式サイトの採用ページをまめに確認して、自分に合った職種があるか探すのがおすすめです。
転職エージェントの非公開求人も忘れずチェックすべき
トヨタ紡織への転職を目指すのであれば、転職エージェントの非公開求人も忘れずチェックすると良いでしょう。非公開求人は数の上で公開求人よりも多い傾向にあるためです。
加えて各エージェントの利用者のみが応募できるようになっている分、公開求人よりも競争率は低くなります。公開求人に比べてライバルが少なくなるでしょう。
非公開求人を利用すると公開求人からの応募に比べて、飛躍的に内定への可能性が高まります。ライバルも少なくなる分、落ち着いた気持ちで対策できるでしょう。
選考フローは書類選考・筆記試験・面接の順番
トヨタ紡織の選考フローをしっかり理解することも重要です。書類選考・筆記試験・面接の順番で選考が進んでいきます。
トヨタ紡織が人気企業である分、最初の書類選考で落ちる人も多いです。採用担当の気持ちを惹きつけるように、論理性や一貫性のある内容で熱意を伝えるべきでしょう。
筆記試験はSPI試験などが出題されます。転職エージェントなどで最近の傾向を聞いてから対策するべきです。
面接は複数回行われ、2回または3回行われるケースが多く見られます。面接官は最初が採用担当と希望部署の責任者、最後に役員が担当する仕組みです。
学歴や経験に自信がない場合は期間工から目指す
トヨタ紡織で募集する職種を見ると、条件に大卒以上の学歴や一定期間以上の業務経験が書かれています。学歴や経験で自信がない人にとっては不安になりそうですよね。
学歴や経験で不安がある場合は、期間工から目指すのがおすすめです。期間工の場合は経験や年齢などに関係なく、健康で熱意ある人であれば採用されます。
基本的に製造ラインでの業務に当たるため、1からトヨタ紡織の技術や経験を身に付けられるでしょう。なお一定期間を良好な勤務態度で勤めれば、正社員にもなる機会も訪れます。
トヨタ紡織の転職で求められる人物像3つ
トヨタ紡織への転職に成功するには、同社が求める人物像に寄り添うことが大切です。トヨタ紡織が求めている人物像には、以下の3つがあります。
現状に満足せずチャレンジを継続できる人
最初に挙げられる人物像が、現状に満足せずチャレンジを継続できる人です。トヨタ紡織が掲げる「求める人材像」4項目の最初と最後に以下の記述があります。
- 従来の考え方や活動を続けていくことに満足せず、より高い目標を掲げ、その実現を目指し、創造力と勇気を持ってチャレンジし続けられる人。
- 自分のエリアを決めてしまうのではなく、幅広く様々なことに積極果敢に取り組むことのできる人。(トヨタ紡織「求める人材像」)
つまり「現在のスキルや製品があるから大丈夫」と考えるのではなく、さらなる目標や改善点を設定し前に進める人です。新しい技術や知識の開拓に挑む人とも言えるでしょう。
トヨタ紡織では近年AIやIoTなど最先端技術を用いた開発にも積極的である分、チャレンジ精神豊富で果敢な人材も求めています。
今までの経験の中で、現状に疑問を抱いた上で新しいことにチャレンジしたエピソードを自己PRなどに盛り込むと良いでしょう。
協調性と寛容性を備えた人
また協調性と寛容性を備えた人も求められています。「求める人材像」の2番目でも掲げられている点です。
- 量産のものづくりは多くの人々が協力しあって初めて良い製品ができます。また、当社は事業をグローバルに展開しておりますので、チームワークを大切にでき、様々な文化・価値観の違いを尊重し、受入れられる人。(トヨタ紡織「求める人材像」)
上司や同僚、取引企業の人々などと良好なコミュニケーションを取れる人が求められています。加えて海外企業とのやり取りも活発である分、他者を尊重できる点も重要です。
コミュニケーション能力を用いて部署内の士気を上げたエピソードがあると良いでしょう。また立場の違う人と一緒にプロジェクトを進めて成功した例を盛り込むのもおすすめです。
現場目線で考え行動できる人
最後に現場目線で考え行動できる人が求められています。「求める人材像」の3番目でも求められているものです。
- 「現地・現物を実践し、常に事実を把握して事にあたる」ことのできる人。具体的には、話を聞いて理解できないことがあれば、すぐに現地へ行き、全神経を使って、わかるまで観察し、モノを取って見て、動かすことをすすんで実践できる人。(トヨタ紡織「求める人材像」)
トヨタで考案された「現地現物」の考え方に基づいています。トヨタ紡織もトヨタ車の製造に深く関わる以上、「現地現物」は避けられません。
自己PRなどでも、過去の業務などで現場に立ち実情をしっかり把握・行動したエピソードを盛り込むと良いでしょう。
トヨタ紡織への転職を成功させるコツ5つ
競争率の高いトヨタ紡織の転職選考を突破するには、様々な対策が必要となってきます。主に以下に挙げる5つのコツに基づいて準備するのがおすすめです。
今後の中長期経営計画を踏まえつつ自己分析や企業研究を行う
最初に挙げられるコツが、今後の中長期経営計画を踏まえて自己分析・企業研究を行う点です。最新の2025年中期経営計画が参考材料になるでしょう。
計画では今までの事業や競争力の強化と同時に、事業領域の拡大や経営価値の多面化が課題になっています。また持続可能性を重視するトップレベル企業が目標とする企業像です。
中期経営計画の内容を志望動機などに落とし込むには、競争力強化などを実現する方策を考えつつ、自分の経験などをいかにして活かしていきたいかを盛り込むべきでしょう。
自身の強みと思いを、トヨタ紡織の現状や計画の内容としっかり噛み合わせることがポイントです。
筆記試験はSPIやオリジナル問題が出る
次に筆記試験では、SPIやオリジナル問題が出されます。特にオリジナル問題では国語・数学・英語の3科目で出されるため、自信のない科目については補強が必要です。
転職エージェントではトヨタ紡織の選考へのノウハウも豊富に揃っています。近年の傾向を聞きながら、勉強法を考えるべきでしょう。
SPIについては問題集を使って、時間を測りながら早く解けるようにするのがおすすめです。
面接試験では志望動機や海外駐在関係など一般的な質問が基本
面接試験で聞かれる質問の内容が気になる人もいますよね。トヨタ紡織の場合は、志望動機やトヨタ紡織を選んだ理由など一般的な質問が基本です。
また海外駐在の可能性についても聞かれます。トヨタ紡織が海外にも広く展開している分、海外に長期出張する可能性も十分にあるためです。
志望動機など基本的な内容に加え、海外駐在についても極力前向きな姿勢で答えると良いでしょう。
面接試験ではコミュニケーション能力も試される
さらに面接試験ではコミュニケーション能力も試されています。トヨタ紡織の場合、面接は試験というよりも会話に近い和やかな雰囲気で行われるためです。
ただ雰囲気が穏やかな中で行われる分、受け答えが適切かがより重視されます。リラックスするあまり余計なことを話すケースもあるためです。
和やかな雰囲気の中でも適切に返せるようになるには、やはり日頃の練習量が物を言います。事前に転職エージェントなどでしっかり練習をするべきです。
グループワーク対策も行う
加えてトヨタ紡織の面接ではグループワークが行われるケースもあります。グループワークもコミュニケーション力や協調性が試されるため、事前に対策が必要です。
グループワークの対策本や転職エージェントのアドバイザーによる指導を基にコツを掴んでおくと良いでしょう。合わせて練習する中で自身に適した役割を見出すことも重要です。
本当に最悪で年収が低いのか?トヨタ紡織の評判・口コミを紹介
トヨタ紡織に転職しようと考えても、実際の内情が気になる人もいますよね。トヨタ紡織の内情を知るには、社員などが残した評判・口コミが参考になります。
以下に挙げる5つの点から評判・口コミを見ていきましょう。
年収・福利厚生面の評判・口コミ
まず年収や福利厚生に対する評判・口コミです。以下のような内容のものが見られます。



ボーナスも多く出るようですね。また一定期間同じ職位にいると昇給しなくなる制度があるおかげで意欲が高まりそうです。
福利厚生も非常に充実しているため、より仕事に打ち込む気持ちが強まるでしょう。
ワークライフバランス関係の評判・口コミ
次にワークライフバランスについても見ていきます。


ワークライフバランスのとりやすさは、部署や環境によって左右されるようですね。ただ極力休みを取りやすい制度はあるようです。
女性の働きやすさに対する評判・口コミ
さらに女性の働きやすさについても見ていきます。


基本的に育児中の女性にとっても働きやすい環境が整っているようですね。ただ部署や雇用形態によっては不向きな場合もあるようです。
労働環境に対する評判・口コミ
労働環境に対する評判・口コミもご紹介します。



部署にもよるものの、基本的に高い技術力に触れられる点で仕事にやりがいを覚えやすいようですね。ただ決められた仕事が苦痛な人にはきつい可能性もあるでしょう。
社風や企業体質に対する評判・口コミ
最後に社風や企業体質の評判・口コミも見ていきます。


年功序列で安全をきちんと重視しているようですね。一方でトップ層に天下りが多くトヨタ自動車を基準にする傾向があるのは気がかりなところです。
トヨタ紡織に転職したいのであれば転職エージェントがおすすめ
世界に誇る高い技術力や待遇の安定性が魅力的なトヨタ紡織に何としても入社したい人もいますよね。トヨタ紡織への転職を目指す場合は、転職エージェントがおすすめです。
転職エージェントではトヨタ紡織向けの対策が蓄積されていることに加え、多くの非公開求人も扱われています。非公開求人からの応募だけでもライバルに差をつけられるでしょう。
エージェントの中でもリクルートエージェントがおすすめです。非公開求人だけでも10万件以上と業界最大を誇ります。
加えて転職活動者の8割が利用する点でも信頼性が高いです。転職活動では定番のエージェントとも言われています。
まとめ
今回はトヨタ紡織の転職について見てきました。高級車レクサスや新幹線のシートを手掛ける高い技術やトヨタグループ内の安定性で、転職先でも抜群の人気です。
転職活動でも難易度は高いため、事前に自己分析や企業研究をしっかり行うべきでしょう。中期経営計画なども転職対策では欠かせません。
加えてリクルートエージェントなど転職エージェントを活用すれば、大きく内定に近づけます。トヨタ紡織の選考ノウハウも豊富であるため、活用する価値は非常に大きいです。