自動車メーカーの中でもトラックなど商用車やディーゼルエンジンで有名なのがいすゞ自動車です。トップメーカーの次に高年収で安定している分、内定への競争も激しくなります。
経験を活かすなどしていすゞ自動車で商用車開発に携わりたい人もいますよね。いすゞ自動車への入社を目指すのであれば、事前に十分な準備が必要です。
今回はいすゞ自動車に転職する方法を、難易度や求人などにも触れながら見ていきます。今回の記事は以下の人におすすめです。
- いすゞ自動車で商用車やディーゼルエンジンの開発・製造に携わりたい人
- いすゞ自動車への転職対策を十分に練りたい人
- いすゞ自動車への応募を検討している転職活動中の人
いすゞ自動車とは
いすゞ自動車はトラックやバスなど商用車の製造で有名なメーカーです。トラックについてはCMソングで流れる「いすゞのトラック」のフレーズでも有名ですよね。
商用車やディーゼルエンジンの開発に携わりたいと思って、いすゞ自動車への転職を目指す人もいるでしょう。転職対策を立てるにはまずいすゞ自動車を知ることが重要です。
以下の各項目で、いすゞ自動車の企業情報や特徴などを見ていきます。
いすゞ自動車の基本情報
最初にいすゞ自動車の基本的な情報をご紹介しましょう。
会社名 | いすゞ自動車株式会社 |
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代表取締役社長 | 片山正則 |
創立年月日 | 1937(昭和12)年4月9日 |
本社所在地 | 東京都品川区 |
資本金 | 406億4,400万円(2020年3月現在) |
従業員数 | 8,172人 |
いすゞ自動車は昭和初期に創業した歴史あるメーカーです。いくつかのメーカーが合併してできた会社で、戦前から大型自動車やディーゼルエンジン開発に携わってきました。
なお「いすゞ」の名前は、前身会社時代に商工省標準自動車を開発した際、商標を伊勢神宮付近を流れる五十鈴(いすず)川から命名したことに由来しています。
トラックやディーゼルエンジンの開発・製造で非常に有名
現在のいすゞ自動車も、トラックなど商用車やディーゼルエンジンの開発製造が主力事業です。特にトラックは国内シェア2位で、1位の日野自動車とは常にトップ争いしています。
シェア率も2019年期で31.7%となっているため、国内を走るトラックの3台に1割がいすゞ製です。なお小型トラック「エルフ」は国内トップシェアを誇っています。
トラック以外にもディーゼルエンジンの開発・製造でも有名です。いすゞ製のものは低燃費で環境にも配慮されていることで高い評価を得ています。
中でも「D-CORE」シリーズは、軽量化やコンパクト化を徹底追求した結果生み出されたものです。特に二酸化炭素排出量が少ない点は次世代にも対応できる強みと言えます。
海外での売上も6割程度
いすゞのトラックやディーゼルエンジンは海外でも好評です。海外120ヶ国で販売され、いすゞ全体の売上の6割を海外での販売実績が占めています。
海外の場合も、いくつかの国で「エルフ」がトップシェアです。加えていすゞでは海外向けに乗用車を販売していいます。
海外市場ではアセアン諸国の他、中近東・アフリカに照準を絞っており、今後同地域への販売強化を行う計画です。
年収は700万円台で福利厚生も充実
いすゞ自動車でトラックやディーゼルエンジン関係の仕事に携わりたくても、年収などが気になる人がいますよね。いすゞ自動車の年収や福利厚生は大手企業にふさわしい規模です。
平均年収は700万円台を記録しており、2020年9月時点で776万円となっています。トヨタや日産に次ぐほどの高さであるため、働きがいを感じるほどと言えるでしょう。
福利厚生についても、残業代や交通費が全額支給される仕組みです。また家族手当や通勤手当などの諸手当や赴任費用の支給、寮・社宅の完備などもされています。
他にも各種保養所や貸付金制度、免許取得制度もあるため、リフレッシュやスキルアップもしやすいです。
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激務になるケースはあるものの基本的に働きやすい
いすゞ自動車への転職を目指す際、働きやすさやワークライフバランスが気になる人もいますよね。いすゞ自動車は基本的に働きやすい職場環境です。
残業については部署によって差はあるものの、最近ではきちんと管理されているために極端に長くはありません。また長期休暇も大型連休に合わせて設けられています。
有給休暇についても比較的取りやすいです。特に生産計画の中で閑散期になれば、申請するだけで簡単に取れるようになっています。
風通しが良い一方で企業体質が古い面も
いすゞ自動車の魅力の1つが風通しの良い職場環境です。新しいことにチャレンジしやすい気風があるため、若手であっても意欲的に大きな仕事を任せて貰えます。
加えて上司と部下との関係も良好で、闊達に議論を交わし合えるほどです。特に積極的に提案する意識のある人にとってはおすすめの職場でしょう。
一方で歴史が長いメーカーである分、企業体質の古さが目立ちます。年功序列や学閥の考え方が根強く残っており、若手から不満の声が上がるほどです。
いすゞ自動車の中途採用で転職を目指す際のポイント5点
いすゞ自動車への転職を目指す際、現時点で心がけるべきポイントはいくつかあります。主に以下の5点は、転職を目指す際に注意すべきポイントです。
転職難易度はやや高め
まずいすゞ自動車の転職難易度はやや高くなっています。トヨタや日産などトップメーカーに比べれば低いものの、商用車開発で安定している点や年収が高い点で人気です。
人気が非常に高いことから、毎年のように多くの転職希望者がいすゞ自動車に応募してきます。いわばライバルが非常に多いため、内定に向けた競争は過酷なものになりやすいです。
激しい転職競争に勝つためにも、いすゞ自動車について深く理解した上で、今まで培った経験やスキルを関連付けることが欠かせません。面接や応募書類の対策も綿密さが必要です。
事務系・技術系ともに幅広く求人を募集中
いすゞ自動車の中途採用では、事務系・技術系ともに幅広い職種で募集を行っています。2021年1月時点で以下の各部門が募集中です。
- 事務系:企画部門(情報通信事業戦略策定・立案)・営業部門(価格戦略の立案・ソフトウェア企画事務)・管理部門(コンプライアンス・ビジネス法務など)
- 技術系:生産技術職・工場インフラ系・品質保証職・開発職・システムエンジニアなど
特に技術系の職種が多めになっている分、事務系に比べるとチャンスも多くあります。ただし高い即戦力が求められるため、事前の綿密な準備は欠かせません。
ちなみに応募する際に求められる学歴は、高専卒や大卒以上です。高卒などの場合は後ほど触れる期間工から始めると良いでしょう。
なお公開求人以外にも、転職エージェントなどで扱われている非公開求人にも注目するべきです。非公開求人は公開求人よりも件数が非常に多い分、応募の機会を増やせるでしょう。
職種によっては5年以上の業務経験が必要
自身の業務経験やスキルを役立てる職種に応募する際、応募条件は要チェックです。特に職種によっては比較的長めの業務経験を必要とするものもあります。
中でも品質保証や開発関係の職種には、5年以上の業務経験が求められるものもあるほどです。他にも3年程度の業務経験を必要とする職種もあります。
業務経験の中身・年数は職種によって様々です。ただ自動車以外の乗り物に携わった経験を持っている場合でも応募できるケースもあります。
事前に必要とされる業務経験の内容はしっかり確認するべきでしょう。
海外経験や語学力があればなお良い
業務経験に加えて、海外経験や語学力があるとなお良いと言えます。いすゞ自動車では海外事業も重要視している分、海外への長期出張に当たるケースもあるためです。
海外経験については、具体的に海外工場での製造経験やプロジェクト参画経験などがあると優遇されます。語学力については、技術職でも最低TOEIC500点あると良いでしょう。
もちろん事務系の職種であればより高い語学力が求められます。少なくとも語学力を向上させておくことも、いすゞ自動車の選考を有利に進めるポイントの1つです。
未経験や高卒の場合は期間工から目指すのがおすすめ
もし業務経験がなく、学歴でも高卒などの場合は期間工から正社員を目指すのが良いでしょう。期間工の場合は学歴や業務経験は求められず、健康でやる気があれば採用されます。
期間工はいすゞ製品の組み立てなどをラインで行うため、業務経験不足のカバーも可能です。なお一定期間を勤務態度良好の状態で勤めれば、正社員登用の機会が巡ってきます。
いすゞ自動車の転職選考を突破するためのポイント5つ
いすゞ自動車の選考に臨む際、可能であれば選考を突破するためのポイントを知っておきたいですよね。実は転職選考突破へのポイントは5つあります。
自己分析や企業研究をきちんと行いつつ、面接対策をしっかり行うことが基本です。
選考は書類選考・SPI・複数回の面接
まず選考の流れを一通り理解することが必要になります。いすゞ自動車の場合は、書類選考・SPI・複数回の面接という流れです。
いすゞ自動車の場合は人気が高いため、書類選考落ちになる人も多く見られます。書類選考の段階から気を抜くことなく、しっかり応募書類を仕上げるべきです。
書類選考と合わせてSPI試験を面接日までに受験します。SPI試験については制限時間内に多く解く必要があるため、問題集などで慣れておくべきです。
最後の面接は書類選考やSPI試験の合格者のみが受けられます。最低でも2回、場合によって4回の面接があり、希望部署のマネージャーや役員が面接官です。
事前にいすゞの中期経営計画を熟読・理解して自己分析と企業研究
いすゞ自動車の転職選考では、志望動機や自己PRが非常に重要と言えます。志望動機などをきちんと準備するには、事前に中期経営計画を熟読することが欠かせません。
中期経営計画は3~4年ごとに策定されているもので、今後数年間の事業目標などが記されています。いすゞの現状やビジョンを把握して、入社後にしたいことに繋げるべきです。
中期経営計画を理解したら、自己分析などで経験・スキルに照らし合わせていすゞを目指す理由や自分が役立つ点を見出していきます。
一連の作業で面接官に好印象を与える志望動機などに仕上げられるでしょう。
他社研究もきちんと行っておく
自己分析や企業研究と合わせて行いたいのが他社研究です。他社研究は同業他社からいすゞ自動車を選んだ理由を具体的に答える際に役立ちます。
他社研究は日野自動車や三菱ふそうトラック・バスのような商用車メーカーを対象にすると良いでしょう。特に日野自動車はいすゞ自動車最大のライバルであるため外せません。
他社研究でいすゞ自動車にしかない特色をしっかり把握した上で自身の経験・スキルと噛み合わせれば、いすゞ自動車への志望度の高さをアピールできるでしょう。
面接では一般的な質問
いすゞ自動車の面接ではごく基本的な質問が問われます。志望動機やいすゞ自動車を選んだ理由、前職からの転職理由などです。
基本的にあまりにも奇抜な質問は出されません。過去の面接で出てきた質問の傾向を分析した上で対策するのがおすすめと言えます。
特に大手転職エージェントでは、過去のいすゞ自動車の選考に関するデータが蓄積されているため、アドバイザーに傾向を聞くのも良いでしょう。
体質面のネガティブなイメージを元にした質問にも対策を練る
いすゞ自動車の面接では、体質面のネガティブなイメージを元にした質問もよく出されます。具体的に評価制度の古さや学閥重視のイメージを元に聞くものです。
もちろん体質面のイメージに対する対策も重要になります。ネガティブなイメージに対する意見を考えた上で、前向きな返し方で答えるのが良いでしょう。
なお具体的な質問の内容も転職エージェントで把握すると、より対策が立てやすくなります。
商用車開発や自動車業界の今後に対する意見も持っておく
最後に商用車開発や自動車業界の今後に対する意見も持っておくべきです。いすゞも含め多くの自動車メーカーでは、面接で業界の今後への意見も良く聞いてきます。
うまく答えるには事前に業界研究が必要となるでしょう。特にいすゞ自動車はディーゼルエンジンも開発しているため、排ガス規制との関係は外せない点です。
業界の現状をしっかり把握した上で、いかにして環境規制や他メーカーとの競争の中でうまく乗り切っていくかの展望を示すのが良いでしょう。
加えて自分が業務の中で貢献できる方法も伝えると、なお好印象を与えやすいです。
いすゞ自動車にまつわる評判・口コミを紹介
いすゞ自動車に転職して仕事する上で、実際の職場環境や待遇などが気になる人もいますよね。職場環境などが気になる場合は、社員が残した口コミを参考にすると良いです。
待遇ややりがいなどに分けて、いすゞ自動車の評判・口コミをいくつかご紹介します。
年収や福利厚生に関する評判・口コミ
最初に転職の際に誰もが気になる年収など待遇面の評判・口コミを見ていきましょう。以下のような内容の声が見られます。



トップメーカーほどではないにせよ、同業他社と比べて遜色ない金額の年収のようですね。ボーナス面でも近年の業績の良さで金額が上昇しているという声があります。
残業時間などワークライフバランスに関する評判・口コミ
次に残業時間などワークライフバランスについても見ていきましょう。以下のような声があります。


有給休暇が取りやすい上、残業時間も短くなって来ていてワークライフバランスは満足しそうですよね。長期休暇も大型連休であればのんびりできそうな感じでしょう。
やりがいや成長に関する評判・口コミ
さらにやりがいや成長に対する評判・口コミも見ていきます。


部署で人が少ない点は気になるものの、少ないからこそ飛躍的に成長できる点は魅力的ですよね。教育制度が充実している分、活用する甲斐もあるでしょう。
社風や企業体質に関する評判・口コミ
最後に社風などの評判・口コミも見ていきます。


年功序列や上司によりけりな点など、大企業にありがちな悪い点が目立つようですね。上司との協調性も求められるでしょう。
いすゞ自動車に転職したいのであれば転職エージェントがおすすめ
いすゞ自動車に応募するのであれば、なるべく転職成功率を高めておきたいですよね。いすゞ自動車への転職には転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェントでは選考対策に加えて、非公開求人への応募や年収交渉もできます。特に非公開求人は公開求人がない場合でも応募できる点でメリットです。
数ある業者でもリクルートエージェントは特におすすめです。非公開求人数が10万件以上である分、いすゞの求人も多く見つかります。
加えて転職活動者の8割が利用するほど信頼性も抜群であるため、是非エージェント選びで検討すると良いでしょう。
まとめ
今回は商用車やディーゼルエンジンでトップクラスのいすゞ自動車への転職について見てきました。トヨタほどではないにせよ非常に安定しているため、転職難易度は高いです。
また幅広い職種で中途採用を募集しているため、非公開求人も活用すれば自分に合った求人が見つかるでしょう。転職エージェントなどから是非挑戦すると良いです。
面接も基本的な質問が多いものの、体質に関する問題も出てきます。対策を立てるにはいすゞ自動車について十分理解し、自己分析や他社研究などで綿密に準備するべきです。